早期リタイアの近道は中小企業M&A

日本には300万社を超える中小企業がありますが、その多くが銀行や保険会社などに勧められた非効率な節税をしてしまっています。

節税あっせん業者の口車に乗り、利益が出た年は多少の節税ができるものの、その後、資金繰り悪化や売上低迷の原因になってしまっている会社は後を絶ちません。

また、非効率な節税は企業価値を低下させてしまうため、将来、事業承継やM&Aなどを検討する際、自分たちの首を絞める結果に繋がります。

そこで今回は、知らなきゃ損をする中小企業のM&Aを取り上げたいと思います。わかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

M&Aを賢く活用すればFIREできる

ここ数年、FIREという生き方がちょっとしたブームになっています。

FIREとは、経済的自立を達成して早期に仕事を辞め、お金と時間に縛られず自由に生きていくという生き方です。

コロナ禍以降、FIRE関連のYouTubeやSNSが急増し、書店にも未だ多くの書籍が並び、 FIREに憧れる方が増え続けているようです。

しかし、FIREには数千万~数億円の資産が必要とされ、平均的な年収のサラリーマンが目指すには非常に高いハードルです。

一方で、中小企業のオーナー経営者であれば、M&Aを賢く活用すればFIREは十分に可能です。

実際に、起業した会社をM&Aによって売却し、若くして莫大な資産を手にした経営者は少なくありません。

なかにはM&Aで得た資金を元手に、本当に自分がやりたかった事業を新たに始めるという方もいます。

このように、M&Aには非常に大きなメリットがあります。

M&Aは、会社の持続的な成長や雇用の維持という観点でも優れているため、決して経営者だけでなく社員にとってもメリットのある選択肢です。

冒頭でお話した非効率な節税は、社長と社員の有益なM&Aという未来の選択肢を、奪ってしまうリスクがあるため注意が必要です。

目先の非効率な節税 VS 早期リタイア

中小企業オーナーにとって、『節税』は非常に魅力的な言葉で、多くの方が関心の高いことです。

私も複数の会社を経営している身なので、あっせん業者の巧みな節税提案を見せてもらうと、思わず手を出してしまう経営者の気持ちが分かります。

なぜ経営者が『節税』ワードに弱いのか?

答えは、個人の収入に係る所得税と違い、法人の収入に係る法人税が【後払い】だからです。

多くの経営者は『1年かけて生み出した利益が、決算から2カ月後に約30%税金としてもっていかれる』という意識が強いです。

『後でどうせ税金でもっていかれるし、利益はできるだけ少なくしよう。』と考えて経営している社長さえいるのが現実です。

いつしか節税自体が目的になり、不要に利益を圧縮し、どんどん企業価値を下げてしまっている経営者は少なくありません。

決してすべての節税を否定するものでもありませんし、相続対策などでは企業価値(≒自社株評価)を下げる場面も必要になります。

将来、有益なM&Aという選択肢も増やしておきたいと考えるなら、自社株を賢く管理しながら、計画的に企業価値を磨き上げていくことが重要です。

目先の節税に執着し、将来の企業価値を下げてしまうようなことは、企業の成長性・有益なM&A・早期リタイアなどの視点からも、絶対に避けましょう。

日本は2つの2025年問題を乗り越えられる?

約800万人いる団塊の世代が75歳(後期高齢者)となり、雇用、医療、福祉など多くの影響が懸念される2025年問題ですが、中小企業版の2025年問題も待ったなしの日本の課題です。

中小企業庁によれば、2025年までに70歳を超える中小企業の経営者は約245万人、うち約半数の127万(日本企業全体の1/3)が後継者未定とのこと。

現状のままでいくと中小企業の廃業が急増し、2025年までに累計約650万人の雇用、約22兆円のGDPが失われる可能性があると言われています。

しかし、ゼロからイチを生み出してきた経営者にとって、汗と涙の結晶とも言える会社を誰かに譲り渡すという行為は、歳月の長さに比例して難しいものです。

経営者の想いに寄り添い、経営者が育てた事業を守り、永続的に発展させていくために、円滑な事業承継が求められます。

非常に多岐にわたるプロセスを乗り越え、経営者や社員にとって有益な事業承継とするには、適切なアドバイザーの存在が必要不可欠です。

中小企業のM&Aは誰に相談するべきか①

民間企業の調査によれば、多くの経営者は、事業承継・M&Aの相談を身近な人にしているようです。

経営者仲間や家族・友人など、相談しやすいことが主な理由との事。

とてもデリケートかつプライベートな内容ですので、信頼できる身近な人に相談する経営者が多いのは、自然な結果だと思います。

しかし、結婚を何度も経験できる人がいないように、事業承継・M&Aを何度も経験したことがある人は少なく、さらに案件ごとに個別の事情が多いため、相談者には豊富な知識と経験が求められます。

弁護士・税理士は相談すべき専門家ですが、事業承継の経験が少ない方が多いので、事業承継・M&Aの経験が豊富な方を+αのアドバイザーにされるのが理想です。

また、会社の財務状況に詳しいからと、顧問税理士に会社の第三者譲渡を相談する際には注意が必要です。

顧問税理士の立場から見たら、社長が会社を第三者に譲渡してしまうと、顧問先が減る=売上減少に繋がるので、適切なアドバイスを受けられない可能性があるからです。

センシティブな相談事ではありますが、中小企業庁や商工会議所の相談所などもありますので、セカンドオピニオンも視野に複数の専門家から、最適なアドバイザーを探すことをお勧めします。

中小企業のM&Aは誰に相談するべきか②

近年は、中小企業の事業承継のなかで、M&Aを選択する企業が増えています。

  • そもそもM&Aを行うべきか
  • M&Aの進め方について
  • 自社の価値の高め方
  • 株価算定の考え方や概算金額について
  • 買い手企業について
  • 銀行や税理士への相談について など

もし、M&Aを検討しようと考えた際、相談すべき項目は非常に多岐にわたります。

内容も専門的になるため、各専門家への相談も必要ですが、コーディネーター役とのアドバイザリー契約も必要です。

例えば、法務や財務などの分野は弁護士・税理士に、買い手企業のリサーチやコンタクトなどの分野は、銀行やM&A専門会社となります。

社長や社員にとって有益なM&Aにできるかは、『誰とアドバイザリー契約を結ぶか』で、大きく左右することもあります。

中小企業のM&Aは、補助金など政府が後押ししていることもあり、今後さらに増加していくと予想されます。

一方で、トラブルが多いのも現実ですので『そもそもM&Aがベストなのか』『誰に何を相談するのか』など、検討する際は積極的にセカンドオピニオンを活用されることをお勧めします

まとめ

今回は、中小企業のM&Aの活用ポイントについて簡単に解説をしました。

もし、あなたが経営者で早期リタイアに興味があるなら、M&Aを賢く活用すれば、あなたの夢や理想を実現してくれるかもしれません。

今回のブログが皆様の参考になれば幸いです。

これからも、有益な『知らなきゃ損するお金のこと』を、ブログで発信していきますのでご期待ください。

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この記事を書いた人

亀井 貴文のアバター 亀井 貴文 FP・戦略財務・M&Aコンサル

30歳で脱サラして3社を経営しながら18社の顧問FPを担当
【主な資格】◆AFP◆証券外務員一種◆事業承継・M&Aエキスパート◆相続診断士◆公的保険アドバイザー◆1級法人クレジットカード相談士
【過去実績】法人134社・個人1746名にFPサービスをご提供
※令和4年現在まで

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