YouTubeやSNSに溢れる甘い“投資”の誘惑にご用心!悪徳業者の見分け方

近年、過去にないほどの投資ブームが起きています。

この記事を読んでいる方の中にも、株式投資や投資信託など、資産運用に興味がある方は多いのではないでしょうか。

資産運用自体は取り組むべき時代ですし、大切な資産を守っていくためにも、投資の手法が今後ますます重要になっていきます。

しかし、投資には注意しなければならないことがたくさんあり、投資手法を間違えると自己破産さえあるので注意が必要です。

いま特に注意が必要なことは、YouTubeやSNSなどに溢れる「甘い投資」の誘惑に引っかからないことです。

そこで今回は、インターネット上に溢れる「甘い投資」の誘惑、についてわかりやすく解説してきます。

目次

YouTubeやSNS上にある投資講座のほとんどは信じるべきではない理由

最近、YouTubeやSNSを見ていると、『○○でだれでも簡単に1億円』『たった○○するだけで資産が10倍に…』などの投資講座の広告を非常に多く見かけます。

このような甘い広告を見ていると『信じたい』という心理も働きますし、最初は半信半疑でも、緻密に作られた映像や言葉巧みなメッセージで騙されてしまう方がいます。

そうした巧みな業者の罠にはまり投資講座を購入してしまい、結果的に大切な資産を減らしてしまったという方は後を絶ちません。

すべてとは言いませんが、YouTubeやSNSなど、インターネットに溢れる投資講座の大半は信じるべきではありません。

信じるべきではない理由はたくさんありますが、主な理由は以下の2つに集約されます。

  • その講座の内容が本当であれば日本はもっと豊かになっていた
  • その講座の内容が本当であればわざわざ人に教える必要はない

それでは、インターネットに溢れる投資講座を信じるべきではない理由、についてわかりやすく解説していきます。

その講座の内容が本当であれば日本はもっと豊かになっていた

もしも、その講座の内容が本当で、だれでも簡単に資産を増やせる仕組みがあったなら、日本はもっと豊かになっていたはずです。

上のグラフにある日本の家計資産の推移(金融庁HPより資料抜粋)からも、アメリカ・イギリスに比べ日本の苦しい状況が垣間見えます。

物価や金利など他の要因を加味すると、貯金がなかなか増えていかないというのが、多くの日本人の肌感覚に近いのではないでしょうか。

また、日本人の年収は30年以上ほとんど上がっていないという恐ろしい事実。

さらに、税金や社会保険料が上がっていて可処分所得(手取り)が減ってきている中で、世界的に物価は上昇していく傾向にあり、厳しい先行きは続きます。

老後2000万円問題以降、そうした現状を打破するため、投資を始める方が増えているのは日本にとってプラスです。

しかし、一方で金融機関や悪徳業者のカモになっている方が急増している現実

投資講座に話を戻しますと、仮にインターネットに溢れる講座の投資手法が正しければ、日本も先ほどのグラフにあるアメリカ・イギリスに迫っていたかもしれません。

だれでも簡単にできる投資手法があったとすれば、口コミで多くの日本人に広がり、先ほどのグラフとは違う結果になっていたはずです。

しかし、決して豊かとは言えない日本の厳しい現状を考えると、そのような講座で教える『だれでも簡単に資産を増やせる投資』の手法はないと考えるのが自然です。

先ほどの金融庁資料は、アメリカには401k、イギリスにはISAという投資の仕組みがあった一方、日本にはなかったことが厳しい現状に至る要因の1つと言っています。

因みに、アメリカの401k、イギリスのISAが、後に日本で誕生するiDeCoやつみたてNISAの原型です。

その講座の内容が本当であればわざわざ人に教える必要はない

そもそも論になりますが、もしその投資講座の内容が本当で、簡単に儲けることができれば、投資講座を販売する必要はありません。

なぜなら、投資講座を販売するという苦労をしてまでお金を稼ぐ必要がないからです。

投資講座を販売するには、教材を作成する必要がありますし、アフターフォローの必要もあるでしょう。さらには、多くの広告費用も必要になります。

皆さんだったらどうでしょうか?

もし、その投資講座の内容どおりで利益が出るのであれば、わざわざ手間や費用をかけてまで投資講座を販売する必要はない、と考えるのが自然ではないでしょうか。

手間も費用もかかる投資講座をわざわざ販売する理由とはなにか?

その講座の投資手法だけでは充分な利益が見込めず、 YouTubeやSNSで広告すれば、多くの人に投資講座を販売でき利益が見込めるから、が答えです。

いま実践している、あるいは検討している投資講座を本当に信じてしまって大丈夫ですか?

資産を増やしていくには王道の方法しかない

世の中に甘い話はないと言われますが、投資の世界こそ甘い話など1つも存在しません。

資産を増やしていくには王道の方法しかないのです。

王道の方法とは、収支を最適化し利益(フリーキャッシュ)を増やし、その利益を守りながら増やす投資を継続していく仕組みのことです。

短期間で大きな利益を上げる投資に比べ、地味で退屈に感じるものですが、短期で利益を上げ続けるのは極めて困難なため、結局は王道の仕組みが資産を増やす近道なのです。

法人は、ヒト(従業員)・モノ(設備)・カネ(純資産)といった事業投資への優先順位が高く、個人は iDeCo・つみたてNISA制度をフル活用することが最優先です。

iDeCoやつみたてNISAなどは、 長期積立分散投資が前提になっているため、短期で大きな利益を上げることはできません。

いま流行っている仮想通貨投資や、FX投資などに比べると地味な投資手法といえるでしょう。

しかし、長期の投資リターンで比べるほど、iDeCoやつみたてNISA制度を活用した伝統的で王道の方法が勝るのです。

繰り返しになりますが、世の中に簡単に資産が増やせる甘い話などなく、地道にコツコツ守りながら増やしていく投資を、継続していくことが資産を増やす近道です。

まとめ

今回は、資産運用にまつわる「甘い話」について解説をしてみました。簡単に大きな利益が出せると聞くと、誰しも興味をもってしまうものです。

しかし、資産運用に近道はありません。今後、もしも何か甘い投資の話に興味をもたれた時は、ぜひ今回の記事を思い出してください。

投資の世界に甘い話など1つも存在しません。 なぜなら、投資の世界でそのような話があれば、わざわざ人に教える必要が無いからです。

今回の記事が、皆さんの今後の資産運用のお役に立てば幸いです。今後もまた皆さんに有益な『知らなきゃ損するお金のこと』をブログで発信していきますので、ぜひチェックしてみてください。

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この記事を書いた人

亀井 貴文のアバター 亀井 貴文 FP・戦略財務・M&Aコンサル

30歳で脱サラして3社を経営しながら18社の顧問FPを担当
【主な資格】◆AFP◆証券外務員一種◆事業承継・M&Aエキスパート◆相続診断士◆公的保険アドバイザー◆1級法人クレジットカード相談士
【過去実績】法人134社・個人1746名にFPサービスをご提供
※令和4年現在まで

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