日本人が見落としている3つの資産の増やし方
世の中には、一見すると『知らなきゃ損するお金のこと』のように思える情報でも、誤った情報や詐欺まがいの情報が溢れています。
「誰でも簡単に資産1億円…」や「たった1ヶ月で資産が倍に…」などの情報が正しければ、日本はもっと豊かになっているはずです。
今回は、3つの資産の増やし方についてお話したいと思いますが、資産の守り方にも触れていますので、既に資産形成がお済みの方も例外なく、ぜひ自己点検の機会としてチェックしてみてください。
多くの日本人は資産が減っていることに気付いていない?
日本人がコツコツと貯めた家計金融資産のうち、現金預金は2021年6月時点で1072兆円。
金額だけみれば日本の家計はどこも裕福なのかと勘違いしてしまうほどです。
FP(ファイナンシャルプランナー)として、のべ2000件超の相談を受けてきた中で、多くの方に共通していることがあります。
それは、将来必要な大切な資産を、自らの選択で減らしてしまっている2つの悲しい現実があること。
1つ目。
ゆりかごから墓場まで、ほとんどの日本人は実践的な金融教育を受ける機会がありません。
そのため、将来のお金のことを金融機関に丸投げしており、結果的に金利以上の高いコストを金融機関へ払うこととなり、資産を減らしてしまっています。
超低金利時代にも関わらず、過剰な実店舗と社員を抱える銀行の預金や貯蓄性のある保険へ、未だ多くの日本人が依存してしまっていることが、冒頭の1072兆円にも繋がっています。
2つ目。
前述のとおり実践的な金融教育を受けていないため、OECD加盟国の主要先進国の中で、日本の金融リテラシーは最下位。
金融教育を受けていない相手に対し、金融機関の担当者は巧みな戦術と話法を使い、各法人・個人から必要以上に金融商品の契約を積み重ねています。
超低金利下で経営難が続く金融機関への依存は、法人・個人のキャッシュフローを著しく悪化させてしまいます。
問題なのは、大切な資産が減っているという現実を、多くの日本人が気付いていないという点。
多くの日本人は収入が減っていることにも気付いていない?
多くの日本人は、将来のためにコツコツと銀行預金をする一方、金利でつく利子を超えるATM手数料や振込手数料(銀行によっては通帳発行手数料)を払っています。
例えば、100万円を2021年12月現在の市中の定期預金金利で1年預けた場合、1年後につく利子は30円。
さらに、利子税が引かれた雀の涙の23円は、一度でもATM手数料or振込手数料を払えばマイナスです。
また、多くの日本人は「無保険」という言葉に怯え、任意の保険であるにも関わらず、多くの保険に加入し不要に高額な保険料を払っています。
例えば、10年更新型の死亡・重大疾病・介護保険に、30歳で月額1万円で加入していたと仮定。
40歳、50歳、60歳と更新するごとに、高齢リスクで再計算されるため、気付けば月額保険料が3万円を超えているという方は未だに多くいます。
大黒柱とはいえ、パパの生命保険だけで年間40万円前後となると資産は減る一方です。
次に、OECDの主要先進国における実質賃金の推移を表した下のグラフをご覧ください。
ブログではできるだけシンプルにお伝えしたいので、実質賃金の説明は省きますが、日本人の賃金は30年以上にわたり減少傾向です。
長期デフレ経済が日本企業の成長力を削ぎ、デフレ下でも一部の物価が上昇していたことが主な要因。
アベノミクスで一時的に賃金が上向いたものの長くは続かず、社会保険料など非消費支出の値上げもあり、30年前の日本人より平均の手取り収入は減っています。
多くの日本人は、手取りが減るなかコツコツ預けている銀行預金が増ない状況で、必要経費の感覚で不要な保険料や住宅ローン金利、手数料や税金を支出しています。
まるで熟練のスリ犯からお金を取られた被害者のごとく、知らず知らずのうちに資産を減らしているのです。
では、これからの時代、どうすれば資産を増やすことができるのか?
法人も個人も資産を増やす方法は以下の3つ
『収入を増やす』
『支出を減らす』
『利益を再投資する』
言葉にすると今さらな表現に見えますが、それぞれを改めて見直すと、知らなかった有効な方法や制度があることに気付いていただけると思います。
今後のブログでも様々な『知らなきゃ損するお金のこと』を発信していく予定ですのでご期待ください。
その1『支出を減らす』
先程の表示順と異なりますが、即効性があるため、まず法人・個人が見直すべきは『支出を減らす』ということ。
経費削減や家計節約はすでにやっているという声が聞こえてきそうですが、前述の保険をはじめとした金融商品に払っているコストは、本当に必要コストですか?
他にも、法人・個人が毎月、毎年支払っている、ありとあらゆる支出が本当に必要コストなのか。
月次でキャッシュフローや家計簿を管理してる方でも、いつしか管理表をつくることが目的となってしまっている場合があります。
改めて1つ1つの支出を見直し、不要なものはないか、より低コストで代替できるものはないか、コストの棚卸しをしてみましょう。
根気のいる作業ですが、始めた月からすぐに効果が現れます。毎月その効果が目に見える仕組みをつくることがポイント。
初めは簡単はエクセルの表でも十分です。支出項目ごとに目的と支出額、そしてその要否と代替の可否を一覧にしていきましょう。
ダイエットと違い、やればやるほど効果が出るので継続しやく、12ヶ月後には余計な脂肪がなくなり、筋肉質な財務体質のベースができます。
また、税金や社会保険料も例外なく、聖域なき支出の仕分けをすることが重要です。
その2『収入を増やす』
日本人を取り巻く金融・経済環境を考えると、『収入を増やす』には難しい環境が長く続いてしまっています。
もちろん『収入を増やす』ということは容易なことではありません。
ポイントは『支出を減らす』見直しと同様、まず現在の収入を見える化すること。
3つの資産の増やし方を仕組みにするうえで、非常に重要なことは、現在のキャッシュフローを正確に把握・分析することです。
継続的にキャッシュフロー管理をして、お金の流れを見える化していくことが重要です。
見える化という文字どおり、現在の収入を見える化し分解してみると、ヒントが見えてきます。
法人の場合、収入は主に本業の売上と本業外の売上からなります。まずは本業の売上を分解してみましょう。
本業の売上は【単価】【客数】【リピート率】という項目から成っているため、各法人でどの項目を増やすのが効果的なのかじっくり考えてみてください。
それぞれの項目を増やすほど売上収入は増えますが、ポイントは社長だけで考えるのではなく、複数の人間の意見を集めて精査すること。
中小企業の社長はビジネスセンスが抜きん出ていることが多いですが、自由な発想や別角度からの視点がより良いアイデアを生み出します。
本業外の売上に関しても、同じようなアプローチでアイデア出しを行い実践してみてください。
個人の『収入を増やす』方法は多岐にわたりますので、今回のブログでは割愛しますが、ポイントはやはり見える化です。
収入を見える化して、まずは現在のキャッシュフローを正確に把握・分析することから始めましょう。
その3『利益を再投資する』
ここでいう『利益』とは、法人の場合は経常利益を指し、個人の場合は収入から支出を引いた余剰資金を指します。
それでは『再投資』とは?ですが、法人の場合、基本的に【ヒト】【モノ】【カネ】への投資を指します。
【ヒト】・・・人材への投資(決算賞与、スキルアップ奨励、新規採用)
【モノ】・・・設備への投資(生産性を向上させる設備投資)
【カネ】・・・純資産の増強(税引後利益で利益剰余金を積み上げ財務強化)
個別の説明は今回のブログでは割愛しますが、いずれも株主・社長・社員の未来の収入をさらに増やすための投資に繋がります。
次に個人の場合の『再投資』ですが、こちらは株式や債券などの投資です。
法人でも可能ですが、税務処理が個人より不利なため基本的にはお勧めしていません。
個人が『利益を再投資する』時に、まず優先すべきはiDeCoやNISAという非課税口座を活用した長期積立分散投資です。
仮に、非課税口座で毎月5万円を5%複利で20年運用できたものとしてシミュレーションすると。
積立元本 600万円 ➡︎ 【10年後】 776万円 ※市中の定期預金の場合 ➡︎ 【10年後】 600.08万円
積立元本1200万円 ➡︎ 【20年後】2055万円 ※市中の定期預金の場合 ➡︎ 【20年後】 1200.3万円
※定期預金金利=0.003%
非課税口座のため運用益に課税されず、iDeCoに至っては毎年の所得控除や受取時の税制優遇があるため、長期投資用の口座として最適です。
また、iDeCoやNISAで投資の知識・経験を積み、非課税口座の上限額を超えて投資ができる方は、特定口座や一般口座でETF(上場投資信託)などを検討するのも有効。
『利益を再投資する』先を探すときのポイントは?
投資に関する『知らなきゃ損するお金のこと』は膨大にあるため、今後のブログでアップしていきたいと思いますが、最後に1つ。
投資する際に利用する金融機関は【楽天証券】、【SBI証券】を強くお勧めします。
それぞれにお得な口座活用方法もありますが、長くなってしまうため、また後日ブログなどでご紹介したいと思います。
これからも有益な『知らなきゃ損するお金のこと』をブログで発信していきます。
FP相談やキャッシュフロー診断は、初回無料で対応しておりますのでお気軽にご相談ください。
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